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私が管理栄養士として働かない3つの理由:管理栄養士を目指す人の夢を砕く現実

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私は四大卒業の年に管理栄養士の資格を取得しました。

管理栄養士を養成する学校に入りましたが、卒業時には栄養士として働く気がありませんでしたので、大学院への進学を選びました。

研究者として働きたいという理由ではなく、理系出身者として就職するためです。

管理栄養士の養成プログラムには実験や研究が含まれますが、試験を合格することが目的なので、理系として就職するには経験が足りません。

栄養士としてではなく理系の一般職を求めて進学しました。

そんな不純な理由で進学したので、そのあと色々と苦労はありましたが、

今回は私が栄養士として就職しなかった理由をご紹介します。

①給料が安い

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管理栄養士って国家資格だから給与が安定している、仕事に困らない。

そんなイメージが一般的にはあるかもしれません。

特に高度成長期に就職難を乗り越えた年代の人からすると、資格があると子供を育てた後に復職が簡単などのメリットがあると思われがちです。

子供に「仕事に困らないから資格をとっておきなさい」という親御さんは、そんな世代の人が多いのかもしれません。

 

実際はどうでしょうか。

 

管理栄養士の職場

管理栄養士は資格を取得した後、働ける職場は様々です。

職場によって食事を提供する対象が異なる、仕事内容が大きく異なりますので、

学生はどんな栄養士になりたいかということを考えて、就職先を選びます。

  • 保険所
  • 病院
  • 学校
  • 福祉施設(老人ホーム、介護施設など)
  • 保育所(幼稚園、保育園)
  • 事業所(会社の社食など)

もちろん就職先を選ぶならば、お金の話も検討事項の一つになるでしょう。

「病院」管理栄養士の給与について

公共の病院や、公共の保育所、保健所など、公共の職場は給与が高い傾向があります。

最近、タニタの管理栄養士がメディアに取り上げられていますが、

そんな職場で働ける栄養士はキャリアを自分で作った栄養士の一握りです。

 

新卒で管理栄養士として資格を生かしたいならば、「病院」を選ぶ学生が多いので、「病院」を例に給与の安さをご紹介します。

 

東京の「病院」で管理栄養士として働く際の手取りは、20万円を下回るのは当たりの世界です。

それでも感覚としては給与が高いほう。

低いと思う職場では額面が16万円程度、管理栄養士としての資格手当で5000円が増える程度です。

東京で女性が安心して暮らすためには、8万円は必要ですし、奨学金の返済がある方は暮らしていくだけでいっぱいいっぱいです。

確かに仕事に困らないかもしれませんが、生活が安定してできる給与がもらえる職場は少ないのです。

医療系の職種が給与が高いなんて幻では?!

医療関係の資格は「管理栄養士」以外にも、「検査技師」「レントゲン技師」「理学療法士」等ありますが、

どこも同じような感覚と聞きます。

東京で大学卒業資格を持っている人が、手取りで20万円を超える仕事に就くことは、難しくありません。

学内で1番や2番の人しか就職できない病院に勤められる事に比べ、手取りで20万円を超える一般職に就く方が難易度は優しいと思います。

なので、大学の偏差値が高い学校の人ほど、栄養士としては就職せず、銀行などの一般職の就職率が高いのが現状でしょう。

②勤務時間が不定期

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管理栄養士といえども、まだ食事を作る仕事も担っている職場がほとんどです。

朝食を作る現場であれば、朝5時出勤なんてこともあります。

朝食を作る場合は、朝番と言われるシフトなので、普通ならば早く帰れる勤務ですが、

現実はそんなに甘くはありません。

管理栄養士は病院に1~2人という体制が多く、他の人にヘルプを依頼できるほど、

体制が整っていない職場がほとんどです。

管理栄養士として働くならば、調理以外の仕事もあるので、それは調理が終わった後という人も多いのです。

管理栄養士の仕事

管理栄養士ってどんな仕事?と聞かれた場合、面倒なときは「給食のおばちゃん」と答えてしまいます。

間違った回答ではありませんが、結構おおざっぱな回答です。

学校給食を作っている大半の人が調理員さんで、献立を作っているのが栄養士さんであることが多いのです。

学校で管理栄養士しかできない仕事は、実際あまりありません。

あえて言うならば、アレルギーのある子供に対する対応でしょうか。

管理栄養士しかできない仕事を下記にあげてみました。

【病院で】管理栄養士でしかできない仕事
  • 腎臓病、糖尿病など、食事制限のある人の献立作成
  • 患者さんへの食事指導
  • 患者さんの栄養状態の管理

⇒管理栄養士が食事指導をすることで保険点数が稼げます。保険点数で定義が明記されているので、病院は管理栄養士しかできない仕事がおおい職場です。

【保健所で】管理栄養士でしかできない仕事
  • 健康増進を目的とした市のイベント?
  • メタボ検診
  • 栄養指導

⇒保健所で働いている知りがいがいないため、現状と離れているかもしれません。管理栄養士を持っていないと職に就くことが難しい職種ではありますが、管理栄養士でしかできない仕事は少ないかもしれません。内容を挙げた内容は保健士さんと一緒に行うものだと思います。

 【まとめ】管理栄養士でしかできない仕事

病気のある人の献立作成や栄養指導は管理栄養士しかできない仕事が多いです。

勤務時間が長い理由

管理栄養士であっても、その仕事だけやっていればいい職場はほとんどなく、調理にかかわる人も多くいます。

新卒は調理も経験し一から勉強しなさいと、職人気質な考えが根強いのが、病院という現場です。

管理栄養士としての仕事は、昼食や夕食を作ったあとに行うことが多いと聞きます。

年次とともに時間を効率的に使えるようになってきますが、

就職後7年たった私の友人達のなかに、ほとんど定時で帰れているという人はいません。

 

「保育園」や「事業所」は昼食だけ作ればよいので、比較的勤務時間が短く済みますが、

朝食・昼食・夕食を作る「介護施設」や「病院」は勤務時間が長くなってしまうのです。

管理栄養士としての仕事が多い職場では、勤務時間が長いという皮肉です。

③管理栄養士としての地位が確立されていない

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最近はタニタ食堂などTVで「管理栄養士」を紹介してくれる機会が増えたので、資格の名前を知っている人は多いと思います。

知名度はある資格ですが、管理栄養士でないとできない仕事はほとんどありません。

先ほど、管理栄養士ではないとできない仕事をあげましたが、保険点数で明記されていない職務は他職種の人で代行可能なことが多く、経験がものをいいます。

新卒の管理栄養士1人雇うなら、経験豊富な他の職種の方が今まで通り栄養のことも対応していることが多いとおもいます。

そのため、管理栄養士としての立場が確立されていないと私は考えています。

【病院】患者さんの栄養状態の管理

⇒現場の看護師さんは常に患者さんと接しているので、看護師さんのほうが患者さんに詳しいのです。管理栄養士が職務に当たる場合も、看護師さんとの連携が大切になってきます。

【病院】【老人ホーム】患者さんの嚥下訓練

⇒加齢や病気が原因で飲み込むという能力が低下し、普通の食事ができない方がいます。無理なく食事ができるよう、刻んだり、ペーストにしたり、工夫をした食事も栄養士さんは考えます。無理なく飲み込める食事が普通の食事に近づけるようにトレーニングするのも、栄養士さんの仕事ですが、もちろん一人ではありません。リハビリの一環でやることが多いので、介護士さんや理学療法士さんと一緒に行います。このとき、介護士さんは理学療法士さんが嚥下訓練に詳しいと、栄養士が入らないケースもあります。そもそも今の日本で、専門職を集めたチームで嚥下訓練を行ってくれるような丁寧な施設は多くはありません。

【学校】などの献立作成や調理

⇒これは言わずもがなですが、管理栄養士と栄養士の境目があいまいなのです。さらに言うと、調理師との境界すらあいまいな場合もあります。資格の取得の条件は異なるものの、実際現場でできることの区別はあいまいです。

このように管理栄養士は国家資格の割に、多職種との境界があいまいで、管理栄養士として働けている人はほんの一握りです。

 

管理栄養士という仕事を知ってもらいたい

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私は管理栄養士として働いてはいません。

今回は管理栄養士として働かなかった理由を上げましたが、実際に働いている友人はたくさんいます。

悪条件のうち、働いている友人らを見て、偉いなあと感嘆するばかりです。

管理栄養士を取得したからには使わないと、淡々と仕事をしている友人。

今の職場で経験を積んで、自分でキャリアを作って、やりたいことをするために努力している友人。

個人栄養指導がしたいと独立し、個人事業主として働いている友人。

いろんな人がいます。

日本は戦後・高度成長期など、高頻度で食事の内容が変わってきました。

本来、現状に即した考えを栄養士は学ばなければならないと思いますが、

新しい考えが学問や行政の制度に組み込まれるのは、慎重になり、なかなか進みません。

栄養の現場では、IT化が遅れています。これも新しい考えを導入できていない分かりやすい例だと思います。

だから管理栄養士という職場は経験がものをいうのです。

管理栄養士を取得しなくても、民間資格の「野菜ソムリエ」や「フードコーディネーター」なんて資格でも、やりたいことができる場合があります。

もしあなたにやりたいことがあって、これから管理栄養士を目指すなら、

そのやりたいことは管理栄養士しかできない仕事であるかを考えてみてください。

資格取得に時間を使うなら、現場で経験を積んだほうが、結果には早くたどり着けるはずです。

 

私の一番の願いは、管理栄養士という資格が地位を確立することですが、

目的ある人が無駄に時間を使うのはもったいないとも思ってしまいます。

私は資格をうまく利用してほしいと考えます。

 

余談…

2018年5月、日本大学のアメフトチームでラフプレーがニュースになっています。

このニュースで一番のトピックはいつの間にか日本大学のアメフトチームの組織体制に移りつつあります。

コメンテーターは30年以上前の古い体制がまだ残っているのかと、驚いたというコメントしていますが、

昔身近にあった医療現場や栄養に関する行政の現場では、今も根強く古い体制が続いています。

そんなことを思い出したので、管理栄養士について語ってみました。

 

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