ブログ

水戸黄門の印籠を掲げる瞬間を私は見た気がした

更新日:

「この印籠が目に入らぬか」

これはドラマ水戸黄門で、水戸のご隠居さんが悪代官を倒す時に言われるセリフだ。今までさんざん悪い事をしていた悪代官が罰せられる、このシーンはいつ見ても爽快だ。こんなシーンを私はリアルで見てしまった。

今回の主人公の彼は私が主催するお酒のイベントで出会った。

私の趣味はBARでお酒を楽しむこと。

この趣味が高じて、お酒のイベントを主催している。

 

BARには知らない人との出会い、私とは異なる考え方との出会い、お酒との出会いなど、色々な出会いがある。BARの扉を開けるたび、知らない世界に飛び込む様で、とても楽しい。

 

BARでお酒を飲むことは楽しいし、BARの居心地はいいのに、同世代に出会うことは多くはない。だから一人で飲んでいると、物珍しがられることが多い。20代の女性が一人で飲んでいる姿は珍しいことのようだ。

 

これは本当にもったいないことだと感じている。

 

このような思いをきっかけに、私はお酒のイベントを主催するようになった。イベントといっても、ウィスキーを楽しむための基礎知識と私がBARで楽しかった体験談を話す会がメインである。このようなイベントをお客さんの立場から主催している人は少数のようだが、そんな私の企画に興味を持ってくれた男性がいた。

 

それが今回の主人公である男性だ。

彼の行動が、まるで水戸黄門が印籠を掲げるあの有名なシーンのようで、とてもかっこよかったのだ。

 

彼の存在は初対面の時から新鮮だった。

 

彼は年下の女性である私に対しても、知らない知識があるならば、積極的に吸収しようとしてくれた。

 

彼は飲み慣れてるという印象だったけれど、興味を持って私のお酒の話を聞いてくれた。

 

知っているかもしれない人にお酒の話をするのはとても緊張をしたが、彼と話していると私も大人な会話をしている気分になった。

 

会社関係の大人男性と飲むときは仕事の話が主になるが、彼はBARでよく出会う男性と同様に、趣味の話が話題の中心だ。

 

私が最近、ミュージカルにはまっていると言ったら、彼が知っているミュージカルの話をする。私がお伝えしたいと思っている話を言ったら、気になる点をすかさず質問をしてくれた。

 

彼と接して思ったのは、彼は許容する範囲が広く、温かで、大人な男性だという印象だ。

 

ある時、そんな彼がSNSで怒りをあらわにしていた。

彼も怒る事があるのかと、驚いたので、インパクトがあった。

 

彼は私と出会った企画の関係者に対して怒っていた。

お金に関する企画を出している人の中に、詐欺のような手口で情報を提供している人がいたそうだ。ルール違反をしていないので、主催者側からの改善は見込まれない。

 

多くの人がこの状況残念がり、ほとんどの人が諦めて企画からはずれていった。

彼も始めは残念がっていたものの、すぐに状況を看過できないと立ち上がっていた。

 

この対抗策が見事で、まるで水戸黄門が印籠を掲げているようだと私は感じたのだ。

 

実は、彼は投資家であり、実業家であって、お金に関する事は詳しかった。

この肩書を前面に出して、どんな詐欺まがいの情報が横行しているのか、本当のお金の稼ぎ方について語るという対抗企画を打ち出したのだ。

彼がどれだけお金に詳しい人物で、どれだけの実績があるのかを明示した上で、戦いを挑んだのだ。

普通に話をするだけでは、彼がどんな立場の人なのかわからない。むしろ、色々な肩書のあるような人には見せない。隠しているわけではないけれど、あえて肩書は語らない。

 

この姿が水戸黄門に重なって見えた。

 

私が知っている水戸黄門のイメージは昔ドラマでやっていたもの。

ドラマのストーリーはいつも格さんと助さんを連れ立って旅をしているなかで、悪代官を見つけ懲らしめていくという展開だ。

水戸黄門様は副将軍と言われる程お偉いさんにもかかわらず、徒歩で旅をして、よくどこかのご隠居と間違われる。

村娘にも「ご隠居さん。宿をとっていないなら、助けてもらったお礼にうちに泊まっていってくださいよ」なんて言われてしまうほどの、気さくな雰囲気だ。

ただの品のいい金持ちのご老人に見える水戸のご老人は、悪代官を懲らしめるときだけ厳しかった。

悪代官に権力をもって、始末をつけるため、その時だけ、本名を語り、副将軍という権力を前面に打ち出す。格さんが印籠をもって「これが目に入らぬか」と言って、初めて村人は老人が水戸黄門であると気づくのだ。

 

彼にとっての肩書が、水戸黄門の印籠に見えたのだ。

この印籠を使うのも、皆が仕方がないと諦めた悪事を改善するため。

 

このとき、私は初めて肩書ってこういう時に使うものなのだと理解した気がした。

 

日常の会話には肩書なんて不必要なもの。

初めてあった人に自分を紹介するときには肩書でなく、どんなものを好むかを言えばいい。

 

彼が怒りをあらわにしていることに驚いたが、大人な戦いを見た気がして、いい発見をさせてもらった。

肩書ってこういう時のためにあるのと、知った。

 

BARは出会いの場というけれど、色々な人と出会える場であることは間違いがない。

私がBARでお酒を飲むことをしらなかったら、彼のような大人に出会うことは無かったかもしれない。

お酒という共通の話題があるから、彼のような大人とも気軽に話すことができた。

BARという場所は色々な人と出会い、色々なことが学べる場所なのだと改めて思った。

 

広告




広告




-ブログ

Copyright© おーぷん・せさみ , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.